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小川榮太郎氏「解散命令は司法の自殺」
月刊Hanada 2026年5月号 総力大特集「異議あり!!」に寄稿、最高裁に司法独立の堅持を要請
論壇 |
要点
- 文藝評論家・小川榮太郎氏が月刊Hanada 2026年5月号に「旧統一教会解散命令は司法の自殺だ」と題する論考を寄稿
- 高裁決定の論理を「『はじめに解散ありき』の至上命令」と批判、最高裁に法の独立堅持を要請
- 解散執行で約280教団施設・職員と扶養家族計4,374名が生計の手段を奪われたと指摘
- 高裁が用いた「成立可能性が否定できない」9億円超の認定方式を「詐欺論法」と糾弾
文藝評論家の小川榮太郎氏(社団法人日本平和学研究所理事長)は、月刊Hanada 2026年5月号の総力大特集「異議あり!!」に「旧統一教会解散命令は司法の自殺だ」と題する論考を寄稿した。同氏は東京高裁の家庭連合(旧統一教会)解散決定(2026年3月4日)と即時の強制執行を「法治国家としての自殺」と表現し、最高裁に司法の独立を示すよう訴えている。
なぜ筆を執ったか
小川氏は冒頭で、家庭連合の問題には当初「近づきたくなかった」と述べる。同氏はあらゆる信教を原則的に尊重するものの、教団の教義や活動には踏み込んでこなかった。しかし高裁判決後に即時の差し押さえが行われたことで「私のなかでスイッチが入った」と記し、「これを放置することは法治国家としての自殺だ」と判断したという。
強制執行の規模とオウム真理教との対比
論考は、解散執行で全国約280の教団施設に清算人が警察官を伴って入った点を取り上げ、職員1,933人とその扶養家族2,441人の計4,374名が生計の手段を奪われた事実を「目のくらむような人権侵害」と指摘する。一方、過去にほぼ唯一の前例となるオウム真理教は28名殺害、教団内死者・行方不明者30名以上の凶悪事件を起こしたのに対し、家庭連合は「刑事事件をも起こしてない」と対比している。
「成立可能性が否定できない」9億円の論理
論考が最も強く批判するのは、高裁が用いた不法行為認定の三段階分類である。決定文によれば、不法行為の「成立」が認められたのは4人(損害額1,868万円)に過ぎず、「成立可能性が相応」が2人(2,344万円)。これに対し「成立可能性が否定できない」とされた事案は138人(約9億1,545万円)に上り、金額ベースで99%以上を占める。小川氏はこの認定方式を「詐欺論法」「事実上の法人への死刑宣告」と糾弾している。
岸田政権の法解釈変更にも疑問
小川氏は、岸田文雄前首相が2022年10月18日の衆院予算委員会では「民法上の不法行為は解散命令の要件に入らない」とした政府見解を、わずか翌19日の参院予算委員会で「民法の不法行為も入りうる」と変更した経緯を「政治的判断に引きずられた」と批判する。同氏は2025年に「公正・公平な裁判を求める有識者の会」に参加し、地裁判決時にも献金開始平均32年前・直近11年間の違法献金ゼロ等の疑義を指摘してきた。
最高裁への要請
論考は結びで「最高裁よ、ぜひとも踏みとどまってほしい」と訴え、「一時の政治判断に追従せず、司法の独立を示し、政教分離という自由社会の原則と法治国家としての尊厳を守ってもらいたい」と結んでいる。
出典: 月刊Hanada 2026年5月号「異議あり!!」総力大特集(飛鳥新社)
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